ケンショク密着レポート

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Part.1

チームで描く島根の未来!
子ども・子育て支援課 ホンネ座談会

令和2年度から「島根創生計画」として、「人口減少に打ち勝ち、笑顔で暮らせる島根」を実現するため様々な取り組みが進んでいます。子ども・子育て支援課では、人口減少をいかに緩やかにして島根県の活気を作っていくかという目標に向け、「結婚」と「子育て」の切り口から、様々なサポートを行っています。今回は、そんな業務を担当する職員にリアルな仕事現場について語ってもらいました。

子ども・子育て支援課で
行われている主な仕事とは?

健康福祉部 子ども・子育て支援課 課長
金築 豊和

Q.子ども・子育て支援課で行っている主な事業とは?

課内の仕事は大きく「結婚支援」と「子育て支援」の2つに分かれています。「結婚支援」では、主に県の関係団体「一般社団法人しまね縁結びサポートセンター」と連携して、コーディネーターによる結婚相談、縁結びボランティア「はぴこ」、しまねコンピューターマッチングシステム「しまコ」の運用、イベント・セミナーでの情報提供など、男女の出会いの場を創出するための支援を行っています。令和3年度はしまね縁結びサポートセンターが関わった婚姻件数が過去最高の82組となり、サポートが行き届いた結果ではないかと思っています。その他にも、各市町村や企業と連携して、結婚に対する様々なアプローチを行っています。

「子育て支援」ではみなさんが安心して子育てができる環境を整備するため、国が策定した新しい制度の周知や取りまとめ、保育所や放課後児童クラブの受け皿拡充など、子育てサービスの提供体制を充実させることが大きな仕事です。

「結婚支援」は、県が主体となって様々な企画立案をします。現場に出向いて情報収集をし、知恵や工夫を凝らした支援を行っています。
「子育て支援」は、実際に子育てサービスを提供するのは市町村ですので、各地域の実態を把握しながら、市町村の方が動きやすいようにサポートすることが県の仕事ですね。
現場や市町村の要望を国にあげたり、国の制度を現場にフィットするように調整したり、国と市をつなぐ役割を担っています。

Q.上司から見た職場の雰囲気を教えてください。

子ども・子育て支援課は全員で20名と県庁内でも比較的小さな課で、更にその中で3~5人のグループに分かれて業務を担当しています。上司・部下関係なく、グループの中で話し合いながら業務を進めており、私はその各グループの延長線上にいるような感じです。

職員同士の距離も近く、何か課題が出てきた時にはタイムリーに話し合っています。若い職員も「これはこう思います」と積極的に発言してくれるので、職場全体が活気に溢れていますね。時にはプライベートな話題も飛び交う、和気あいあいとした雰囲気ですよ。

Q.県職員として働く上で大切なこと、今後のビジョンを教えてください。

最近の若い人は発想が豊かで、自分の意見をきちんと言える人が多くて驚かされます。県庁の仕事は幅が広く、市町村役場など他の地方自治体に比べて異動サイクルが早いのですが、配属先によっては表舞台ではなく、裏方に回ることもあります。仕事をする上で自分がやりたいことを追求することも大切ですが、同じくらい裏で支える役割も重要です。周りの情報を的確にキャッチして臨機応変に動ける方は、どの課でも活躍できるのではないでしょうか。

そうやって色々な部署で経験を積んだ職員が集まることでより良い仕事ができると思うので、若い職員の成長に繋がるサポート体制や、ノウハウなどをスムーズに引き継げるマニュアルの整備などにも力を入れています。島根の未来のために皆で一緒に頑張りたいですね。

職員座談会

情報共有は当たり前。和やかな雰囲気の職場だからこそ仕事も進めやすい。
若手職員3名に子ども・子育て支援課での様子を聞いてみました。

メンバー

渡邉 三冬(ワタナベ ミフユ) 採用年度:平成24年度(入庁11年)
子育て支援グループ 主任

大学を卒業し、東京の食品メーカーへ就職。営業として仕事に打ち込んでいた時に東日本大震災を経験し、もう少し家族のそばで暮らしたいという思いが芽生える。島根県にUターンするなら、“誰のために働くのか”が明確な公務員になりたいと島根県職員に。令和2年から産休・育休を取得経験あり。

月森 泰宣(ツキモリ ヤスノブ) 採用年度:平成26年度(入庁9年)
保育支援第一グループ 主任主事

親が公務員だったこともあり、就職活動を始める時には自然と公務員を目指すように。入庁後は浜田県土整備事務所総務課、病院局県立中央病院経営課を経て、現在の課へ。異動によって、様々な経験や刺激を受けることが自分の成長に繋がっていると実感している。

坂本 啓悟(サカモト ケイゴ) 採用年度:令和2年度(入庁3年)
企画推進グループ 主事

鳥取県米子市出身。大学卒業後は東京で不動産会社の営業として働いていたが、残業や休日出勤が続く仕事漬けの日々が、今一度自分の人生の価値観や働き方について考えるきっかけに。自分のやりたいことは、東京ではなく地元に帰ってもできることだとわかり、島根県職員としてリスタート。

Q.現在の仕事内容について教えてください。

月森 保育支援第一グループで、主に保育士などの人材確保の事業を担当しています。このグループは現在グループリーダーと担当職員2人の計3人体制で、3年目の僕が一番長いですね。

坂本 僕は企画推進グループに在籍しています。結婚支援や子育て支援の企画全般を任されています。県内の小中高生に対し将来設計を行っていく中で結婚・出産・子育てのことも考えてもらいたいと、助産師さんたちを講師に呼んでライフプラン講座なども行っています。

渡邉 私は子育て支援グループで、主に私立幼稚園への補助や指導に携わっています。グループとしては、予算や議会の資料作成といった総務的な役割の業務や児童手当の関係の業務を担当しています。

Q.印象に残っている仕事はありますか?

月森 僕が子ども・子育て支援課に配属されたのが令和2年度で、ちょうど新型コロナウィルス感染症が流行し始めた時期でした。その当時はまだ、コロナって何?という雰囲気でしたが、お子さんがいる親御さんは仕事があるので保育所は開所してほしいという声がたくさんありました。そんな中、感染対策をしっかり行い、たくさんの制約の中で子どもたちの居場所提供に協力いただいた保育士の皆さんに、島根県独自の「応援給付金」を支給することが決まりました。別の部屋を貸し切って、課内で業務を担当することになった職員数名で、その作業に当たっていましたね。

坂本 当時は課の部屋と、別の場所を行き来する月森さんを見て、忙しそうだなと印象に残っています。

月森 新しい制度を一からつくることは、とても大変でしたね。
給付対象者の基準を決めたり、予算確保のために財政課と協議をしたり、様々な調整が必要でした。また、市町村を経由して保育士さんに支給するので、事務負担のかかる市町村役場に給付金の必要性を丁寧に伝えてご理解をいただくことも重要でした。
時間も労力もかかりましたが、国の制度では給付対象外だった保育士の皆さんに必要な支援をすることができ、現場の声に応えることができて良かったです。

渡邉 私は、令和元年度の秋から始まった「幼児教育・保育の無償化」の準備が大変でしたね。国の制度なので、まずは自分たちがこの制度をしっかりと理解することからスタートしました。その上で、施設に対する説明や、それに伴って新しい交付金や補助金を作ったり、保護者の方へのお知らせが行き届くように用意したり・・・。

月森 やっぱり、国の制度が変わるとなると、こちらも身構えますよね。保育事業は、実際に市町村役場が主体となって動くんですが、その内容をいかに紐解いてわかりやすく説明するかが大切なんですよね。「幼児教育・保育の無償化」の時は、結構苦労されているのがわかりました。分厚いファイルが何冊も残っていますもんね(笑)。

坂本 僕は、県民向けの子育て支援サービス「こっころ」のアプリの運用が始まった年に配属されました。今まで子育て世帯にはカードを配布していましたが、更なる利便性からアプリに移行したという背景があります。まず、そのサービス自体が分からなかったですし、アプリ開発に携わっていなかったので、アプリの仕組みも一からで・・・。最初の年はトラブルも多く、当時は開発業者さんと一緒に対応に追われていました。IT知識もなかったので苦労しましたが、IT関係の部署でなくてもこのような仕事を経験できたことは、県職員ならではだと思います。

Q.職場の雰囲気について教えてください。

月森 気になることがあればお互いに聞いたり、自分で調べたりという雰囲気があります。例えば、事前に「この制度ができたので、こういう問い合わせがあるかもしれません」と情報共有は常に行っています。気になったことがあれば、その都度聞いていますね。

渡邉 割とみんな、ちょこちょこ喋っているよね。

坂本 企画推進グループの方もそうですね。むしろ、他のグループよりも喋っているかも。パッと思いついたことがあれば、「これどうですかね?」という感じで。メディアで結婚関連のものがあるとすぐに共有して、次の企画に活かしています。

月森 課長は何かあると先に気付かれることが多いです。そうするとすぐに声を掛けてくれて、話をしながら乗り越えていくことが多いですね。課題が大きくなる前に、ある程度対応しておくという感じです。

渡邉 それが全然威圧感なく、自然と。気構えて喋ることもないから、いつでも相談できる雰囲気ですね。

坂本 何かがあったら・・・という感じではなく、相談することが日常茶飯事ですね。

渡邉 私は子どもが急に病気になったり保育園の休園などで、休まないといけない時も結構ありますが、そんな時でも、普段から仕事の進捗状況を共有しているので、他の人でも対応できる体制が整っていると思います。それに、急に休んでも誰も嫌な顔せずに、逆に子どもの体調を気にかけてくれたり。すごくありがたいなと思います。そういう経験をしているからこそ、誰かが休んでも今度は自分が代わりにやるぞ!という空気感がありますね。課長は私の子どものことをまるで自分の孫のように(笑)気にかけてくれるんですよ。

月森 普段から気軽に話ができる空気感があるから、仕事に関してもすぐに相談できることに繋がっているのかもね。

Q.この仕事のやりがいは何ですか?

坂本 僕は、直接県民の方の声が聞きやすい事業を担当しているので、利用者の方の様子や喜んでおられる姿を見ることができるのは嬉しいですね。県職員は県民の方と直に接する機会があまりないと思っていたので、そういうことが実感できるとやりがいに繋がります。

渡邉 私と月森さんのグループは、成果が目に見えにくい業務が多いと思います。その分、1つ1つの業務を確実に行って、市町村役場や保育現場の方々が困ることのないようにサポートすることが大切ですね。

月森 やっぱり市町村役場がメインに動く仕事が多いので、自分たちの中心的な仕事は、国と市町村の間に入って事業が円滑に進むように支えることだと思います。

渡邉 そうだね。国から通知が来た時には、必ず重要な点だけ抜粋して、このメールは何の通知かすぐにわかるようにメールをするように心掛けています。みなさん忙しいですからね(笑)。

月森 確かに。全部送っても、読み切れないと思います。一番伝えたいところを押さえて。

渡邉 まさに縁の下の力持ち・・・ではないですけど、必ずみなさんに情報が行き渡るように気をつけています。地味な業務が多いですけど、地味なこともすごく大事で。県庁の仕事は華やかな仕事もありますけど、そうでない仕事の方が多いと思います。でも、「人の暮らしを守る、人が当たり前に生活できるように支える」という、基礎的な部分を担うのが公務員ですし、それがないと華やかな仕事も成り立ちません。そういう意味では決して卑下することはなくて、地味な仕事もすごくカッコいいと思いますね。

Q.今後の目標を教えてください。

坂本 今の課の雰囲気を保ち続けたいなと思います。“困った時”ではなく、“困る前”に助けられている部分があるので、これから入ってくる人たちにもそういうフォローができたら良いなと思っています。自分たちがやってもらったように、下の人を助けてあげて、それがまた次の世代の人たちに・・・と、良い縦の循環が回っていけば良いなと思いますね。

月森 そういう環境づくりは確かに大事だね。あとは、オン・オフの切り替えをきちんと意識して、仕事をするときはする、そうでない時はリラックスして。いつも厳しくしなくても良いと思います。

渡邉 仕事は「誰とやるか」がすごく重要で。難しい仕事や大変な仕事もありますが、それでも周りの人たちと良い関係ができていたら、協力して一緒に乗り越えていくことができます。私も中堅職員として、そういう職場の環境づくりを後輩たちに心掛けていきたいなと思います。

Q.どんな人と一緒に働きたいですか?

坂本 僕は、自分から積極的に動ける人ですね。失敗しても周りのフォローがある環境なので、いろんな経験ができると思います。

渡邉 私は、思いやりの持てる人ですね。基本的にチームで仕事をしているので、周りに関心を持って、声をかけたり、そういう気遣いができると仕事がスムーズに進められると思います。

月森 とりあえず「やってみよう!」と挑戦する気持ちを持っている人です。やってみないとわからないことがたくさんあります。少しの気持ちをもっていたら、チャレンジできる仕事だと思います。異動があるので、色々な仕事に触れられますし。

渡邉 2、3年で仕事がガラっと変わるのは、面白いですよ!

坂本 本当にそうですね。興味のある方はぜひ島根県職員を目指してほしいです。

※2022年12月取材、撮影時のみマスクをはずしています。