離島への赴任って実際どうなの?
隠岐での仕事・生活のリアルをご紹介
気になるけどなかなか聞けない転勤や配属先の事情。その中でも隠岐への配属は、仕事面・生活面共に気になっている方も多いのではないでしょうか。業務内容は本土と違うの?生活は不便ではない?地元の方との関わりは?など、リアルな隠岐ライフをインタビュー形式でご紹介します!
島根半島の北東約40~80kmの日本海に位置する、
4つの有人島と180余りの小島からなる群島です。
島前(中ノ島・西ノ島・知夫里島)と島後(隠岐の島町)
に大別され、
ジオパークに登録された雄大
な自然と
豊富な海産物に恵まれた地域です。
隠岐支庁県土整備局
農林工務部 治山・林道課
技師Mさん
島根県松江市出身。島根大学総合理工学部を卒業後、島根県庁に入庁。大学では化学を専攻し、水質に関する研究に取り組んだ。専門知識を深める中で、研究室内で完結する業務よりも、現場に足を運び、多くの人と関わる仕事に興味を持つように。
その中でも島根県職員を志した背景には、父親が県職員であった影響もある。幼少期から仕事の話に触れる機会が多く、公務員が地域の暮らしを支える存在であることを身近に感じて育った。派手さよりも、地域の日常を下支えする役割に意義を見出し、県職員の道を選択。
現在は入庁3年目。初任地として隠岐の島町に赴任している。離島という環境での勤務を通じて、業務の幅広さや地域との距離の近さを実感し、ここでしか得られない経験を積んでいる。
農林工務部 治山・林道課に所属し、治山事業と林道事業を担当しています。治山事業では、土砂災害などから人命や暮らしを守るため、山にダムを設置したり、斜面の崩壊を防ぐ工事を行ったりします。林道事業では、森林整備や林業の基盤となる道路を整備し、地域の産業を支えています。
業務は工事の発注から現場監督まで幅広く、設計内容の確認、業者との打ち合わせ、工事の進捗管理などを一貫して担当します。若手のうちから現場を任されるため、責任の重さを感じる場面も少なくありませんが、その分、自分の判断や行動が形として残る仕事でもあります。
大学では全く違う分野を専攻していたため、最初は専門用語が分からず、現場で何が起きているのか理解するだけで精一杯でした。しかし、先輩職員や業者の方が丁寧に教えてくれ、少しずつ、「自分で判断できる範囲」が広がってきました。私のように専門知識が無く未経験でも、知識は入庁後に身につけられるので、興味のある方は安心して挑戦してほしいです。
赴任前は、正直なところ不安の方が大きかったです。「コンビニがない」「知り合いがいない場所で暮らせるのか」と考えていました。しかし実際に生活してみると、隠岐の島町には見慣れたスーパーやドラッグストア、ホームセンターもあり、日常生活で不便に感じることはほとんどありません。
時々困ることとしては、悪天候でフェリーの欠航が続くとスーパーが品薄になることでしょうか。ですが、これらも慣れればそれに応じた生活習慣が身に付くので、特別負担には感じていません。
赴任直後は土地勘がなく、宿舎周辺を歩いて回りながら、生活に必要な場所を一つずつ把握していきました。今では生活リズムも安定し、自然に囲まれた環境の中で落ち着いて過ごせています。都会的な便利さはありませんが、その分、時間の使い方や生活そのものを大切にできるようになったと感じています。
終業後や休日は、体を動かして過ごすことが多いですね。島内のスポーツジムに通ったり、海沿いや坂道を走ったりしてリフレッシュしています。大自然の中で体を動かせる環境は、隠岐ならではの魅力だと思います。
また、同期採用職員や若手職員との交流も多く、夏には海に行ったりBBQをしたりすることもあります。宿舎同士が近く、「今日集まろう」と気軽に声を掛け合える距離感があります。仕事の悩みや不安を共有できる仲間が近くにいることは、特に入庁して間もない時期には大きな支えになりました。
離島というと職員が少なく、若手職員があまりいないと思われるかもしれませんが、隠岐の島町にある隠岐合同庁舎には毎年10名前後の新規採用職員が配属されます。同期や同年代が多く、宿舎が近い環境は、大学生活の延長線というか、少しずつ社会人として自立していける良い環境だと感じています。
一番不便に感じるのは、やはりフェリーの欠航で、生活面だけでなく仕事にも影響します。島前への移動手段が船しかないので、天候によっては予定通りに移動できないこともあり、スケジュール管理には余裕が必要です。繁忙期は、この予期せぬ待ち時間にやきもきする時もありますが、綺麗な自然を見ているとそんな待ち時間も良いなと思えるようになりました。
また、冬の寒さも想像以上でした。島というと温暖な印象がありますが、実は隠岐諸島は北陸とほぼ同じ緯度のため気温が低く、冬場は風が強く、雪が降る日もあります。こうした不便さも含めて、自然と共に暮らしている実感があり、今ではそれも隠岐での生活の一部として受け止めています。
仕事が遅くなってしまった時に、夕食が食べられるお店がもう少しあれば便利だと感じることはありますが、近々コンビニができる予定もあり、生活環境は少しずつ変化しています。最初は不便に感じていたことも、自分なりに工夫することで自然と順応できるようになりました。この「環境に合わせて考える力」は、仕事にも生きていると感じています。
ただ、私の住んでいる隠岐の島町は島前に比べて島が大きく人口も多いため、商業施設も多く、買い物などに困ることもありませんが、島ごとに状況は異なります。配属が決まったら事前に生活環境を確認しておくと安心かもしれませんね。
心から「よかった」と感じています。庁舎がコンパクトで、上司や他課の職員とも距離が近く、分からないことをすぐに相談できる環境があります。若手の意見にも耳を傾けてもらえる雰囲気があり、安心して仕事に取り組めています。
また、一人ひとりの職員が担う役割が大きく、「自分も地域を支える一員なんだ」と実感できる場面が多くあります。私がそうだったように、学生の皆さんにとって、最初の配属は不安もあると思いますが、こうした環境だからこそ得られる成長も確実にあります。
将来、隠岐を離れる日が来たとしても、ここでの経験や人とのつながりは、自分の土台として残り続けると思います。地域に深く関わりながら成長したいと考えている方には、ぜひ経験してほしい職場です。
隠岐に赴任したことの無い人に伝えたいのは、思うほど特殊な環境ではないということです。実は、私は毎週のようにフェリーで松江市に帰っています。片道2時間半程の移動時間は動画を見て過ごすのが定番で、今では「隠岐は県内のちょっと離れた場所」くらいの感覚です。本土への行き来の頻度は人によって違いますが、単身赴任中の方も頻繁に帰っておられますね。
また、地元の方との距離感についても不安に思われる方が多いのではないかと思いますが、実際に赴任してみて、私は良い意味でギャップがありました。島の方は、県職員をはじめ多くの人が異動で新たに島に来て、また出ていくことに慣れておられます。新たに島に来た人が地元のお祭りや文化に興味があれば快く受け入れてくださいますが、プライベートを大切にしたい人を無理に誘ったりはされません。
隠岐の島町では毎年相撲が行われるのですが、地元の方が声を掛けてくださり、私もメンバーに入れていただいたんです。残念ながら怪我で試合には出られませんでしたが、良い経験をさせていただきました。
地元の方と打ち解けるために特別なことはしていませんが、挨拶やお礼など、人としての礼儀はきちんとするよう心掛けていました。
就職活動中は、「安定しているか」「自分に向いているか」といった点に目が向きがちだと思います。しかし、実際に働き始めて感じるのは、「どんな環境で、どんな経験ができるか」がとても重要だということです。
島根県職員の仕事は、決して派手ではありませんが、地域の暮らしを支える確かな役割があります。特に隠岐のような地方機関では、一つひとつの仕事が住民の生活に直結し、自分の仕事の意味を実感しやすい環境です。
最初から完璧である必要はありません。分からないことを素直に聞き、目の前の仕事に真摯に向き合える人であれば、必ず成長できます。地域に深く関わりながら、自分自身も成長したいと考えている学生の皆さんにとって、島根県職員は大きな一歩を踏み出せる仕事だと思います。
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